肛門の角度と排便のしやすさの関係

腸内環境を整えても排便できない?


善玉菌を増やして悪玉菌を減らすことが腸内フローラの改善につながり、便秘状態が解消されるというのが理想的なことですが、腸内環境を良くしてもなかなか便秘が解消されないということもあります。


「便秘の種類とその対策」で説明したように、便秘にはいくつかの種類があり、それぞれ原因が異なります。その原因に対処するには、まず自分の便秘がどのような理由で起きているかを知る必要があります。


もしヨーグルトを毎日食べたり、オリゴ糖を摂ったり、乳酸菌サプリメントを飲んだりしても効果が感じられないなら、ほかの方法を考えるのがよいかもしれません。


実は、すでに腸内環境はよい状況になっているのに、排便がうまくいっていないだけということも考えられます。ここでは、その対策を説明します。


便意を感じたらすぐにトイレへ


排便がうまくいかない、というのはどういう状態なのでしょうか。


それは、大きく2つにわけることができます。1つは「便意を感じているのにトイレに行けないこと」、もう1つは「タイミングよくトイレに行ってもうまく排便できないこと」です。


前者は、なかなか難しい問題に感じます。自宅ならともかく、仕事場や友人・知人との外出中などは、好きなタイミングでトイレに行くことができない場合が多くあると思います。


その問題自体を解決するのは難しいです。上司が男性の場合や、職場の雰囲気によっては、トイレにおいそれと行くことはできません。友達と一緒のときでも、恥ずかしさは残ります。


そのような事態になった場合は、ある程度は諦めるしかありません。チャンスを見計らって、行けるときに急いで行きましょう。


どちらかというと、そういう状態にならないために、前もってトイレに行く習慣をつけておくことが肝要です。外出する前、朝起きたあとすぐなど、事前に用を足しておくのがベストです。


後者に対する対策については、以下に具体的に説明します。


トイレに座ったら前傾姿勢をとる


便意を感じて、すぐにトイレに行ける状態だった。なのに、いざ便座に座ったら、うまく排便できなかった。


そういった経験がある女性は多いと思います。私も、なかなか排便ができず10分以上もトイレに長居したり、トイレのなかでイライラしたりしたことがあります。


これらの行為は、スムーズな排便にとって逆効果です。


3分以上、ドーナツ型の便座にすわることは、長期的に見て痔につながります。また、ストレスを抱えると、かえって便秘が続くという悪影響が出てきてしまいます。


それでは、トイレではどのように過ごすべきなのでしょうか。


最も大事なのは、排便するときの姿勢です。結論から言うと、上体を腰から曲げて前傾姿勢をとることがオススメです。そうすることで、直腸から肛門にかけてのラインがまっすぐになり、ウンチがスムーズに通るようになります。


直腸から肛門にかけてのラインは、基本的には鋭く曲がっていて、意識していないときに便が勝手に出ないような仕組みになっています。これがないと、普段から垂れ流しなんてことになってしまうので、当然の仕組みです。


しかし、これがあるおかげで、排便しようとするときにはデメリットも生じます。角度が急なので、そこを便が通りにくいのです。便秘が続いているときの、水分が少ない硬い便ならなおさらです。


そこで、前傾姿勢をとって、この角度をまっすぐに変えてあげるのです。そうすることで、便を出しやすくなります。


厳密にはまっすぐにはならないのですが、ある程度腰を折ることで、角度をゆるやかにすることができます。もしスルッと出ないことが多いという場合は、試してみてください。


ひどい排便困難のときは便秘薬を使用する


便秘薬というのは、できれば避けたいものです。


「便秘がつらくてついつい手を出してしまい、ずっと続けてしまっている」「毎日飲んで、完全に頼り切っている」という方もいるかもしれませんが、便秘薬は通常、常用するものではありません。


常用することで腸が疲弊したり、便秘が悪化したり、自律的な排便ができなくなってしまったりする可能性があるからです。


基本的に、便秘薬はどうしても使わなければいけないときに、単発で使うというのが理想的な扱い方です。


しかし、ひどい排便困難に陥っているときというのは、緊急事態である場合があります。何週間も便が出ないというのは、ふつうの生活を営む上で、とても問題のあることです。


そうなると心理的にも肉体的にもツライですし、体調不良や肌荒れなど、実際に別の問題が表出してしまう可能性もあります。


そこで、そのようなときは便秘薬を使用するのも、1つの手段です。カチカチに固まってしまっている便をやわらかくする薬もありますし、直接刺激したり特殊な液で滑りやすくしたりして排出させる、浣腸もあります。


どうしても出したい理由があるときや、硬い便が出なくてうんともすんとも言わないときなどは、便秘薬や浣腸などに頼るのは仕方のないことだと思います。


しかし、使うのはそのとき限りにして、継続的に使うクセがつかないように注意しましょう。